カレー南蛮のねぎは長ねぎであって欲しいことについて

東京カレー南蛮通信を始めた当初はカレー南蛮でまさかねぎに玉ねぎを使用しているとは夢にも思っておらず提供されたカレー南蛮に長ねぎではなく玉ねぎが入っていた時は驚きと同時になにか釈然としないと思ったものでした。
軽く煮た玉ねぎがあまり得意ではないので。

お店の訪問が増えていくにつれ玉ねぎでカレー南蛮を提供している蕎麦屋が少なからずあり、これはどういうだろうと思い始め、調べると大正時代にカレー南蛮が広く普及され始めた時期と玉ねぎが一般的に普及し始めた時期が重なっており大衆店などでカレーライスと共にカレー南蛮も長ねぎに取って代わられたようです(今では少し信じがたいのですがカレーライスも玉ねぎが普及するまでは長ねぎでつくられていたようです)。

蕎麦屋で提供される南蛮の商品名のついた鴨南蛮、肉南蛮などは玉ねぎで出てくることはほぼなく、なぜカレー南蛮だけ玉ねぎで提供するお店があるのかの経緯がわかった現在もなんだか釈然としない気分は変わらずに食べてきました。
そしてそれからは蕎麦屋でカレー南蛮を注文するときはねぎに玉ねぎを使っていないか確認し玉ねぎが入る場合は抜いて作っていただいくようになりました。
まれにカレーに玉ねぎが入っているので抜けませんとおっしゃる店員さんもいらっしゃいますがほとんどの場合は店員さんがカレー南蛮の作り方をよくわかっていなかったようで「抜くことが出来ました!」と提供していただけてます。

カレーライス用のカレールーをかけそばにぶっかけてカレー南蛮の名で提供されているお店もあり(路麺、立ち食いそばなどの数店舗)玉ねぎを抜けないことがありますが、編集長はあれはカレー南蛮ではなく「カレーそば」だと思っています。
軽く煮た玉ねぎが得意ではないだけでカレーライス用にしっかり煮込まれた玉ねぎはとくに抵抗なくいただけるので、最近はあまり訪問することはありませんが路麺、立ち食いそばのカレーそばも好んでいた食べていた時期もあり、これまで100軒を超える路麺、立ち食いそばのお店でカレーそばをいただいています(諸事情により記事は非表示にしています)。

編集長は玉ねぎが嫌いなんだと思われている方もいらっしゃるかも知れませんが実は編集長は玉ねぎはどちらかと言えば好きな方なんです。
串カツやかき揚げなどの揚げた玉ねぎは好物ですし新玉ねぎが出まわる時期はオニスラがけっこうな頻度で食卓にあがります。
スモークサーモンとオニスラは絶妙な組み合わせだと思いますし、肉じゃがに入った少しくたくたになった玉ねぎをおかずにしてご飯をもりもり食べられるぐらいです。

カレー南蛮で玉ねぎを抜いていただくのは長ねぎじゃないと許せねえ!などとかたくなで狂気じみた原理主義者のような考えでは決してなく単純に軽く煮た玉ねぎがあまり得意ではないからです。
本来使用されるべき具材の長ねぎがカレー南蛮という商品名にもかかわらず玉ねぎにすり替わって提供されているのがまかり通っている現状は長い年月の間に完全に許容されてしまっていることを鑑みても今更どうすることも、変わることも無いことも承知してますがせめて玉ねぎか長ねぎかを選べるようにはならないかぐらいは正直思います。

軽く煮た玉ねぎがあまり得意ではないことの他に玉ねぎを抜いていただく理由がもうひとつあります。
カレー南蛮は通常小鍋で和風出汁、具材の肉、ねぎを煮込み事前に仕込んであるカレー南蛮用のカレールー(カレーライス用のカレールーではなく)もしくはカレー粉ととろみ付けの為の片栗粉などを汁に溶いて注文のたびに都度都度調理するのですが、その際にねぎが玉ねぎの場合は玉ねぎから玉ねぎの出汁が出てしまい和風出汁の味わいが濁ってカレー南蛮のつゆが本来の味わいから変化してしまうというのがあるからなんです。

蕎麦屋でお店の方に玉ねぎ抜き=ねぎの嫌いな人(長ねぎも)だと勝手に思われて気を利かしてか薬味の長ねぎもなしになってしまう事も多々あり、ある時期からはカレー南蛮に玉ねぎを使用されている場合は長ねぎは食べられることも添えて伝えています。
お店によっては玉ねぎを使用されている場合でもご厚意で長ねぎに替えていただける場合もあり、その時は本当にありがたいなと思います。

カレー南蛮がどんどん進化していろんなカレー南蛮が登場してきて欲しいとの思いは強いのですが、ただその際は長ねぎだけは具材として変化しないで欲しいなとも思います。
そもそもの名前の由来が長ねぎですし軽く煮た玉ねぎがあまり得意ではないので。

※以前noteに掲載していた文章を加筆、修正しています。